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『煙草葉の奨め』其の壱 京都祗園のとあるBARでの…
 
1. A氏の場合
 頑固にLatakia一本槍!
 特に“Balkan Blend”“Dunhill Nightcap”“Balkan Sobranie”を7:1:1で常喫。
 勿論他のEnglish Mixtureは一通り体験済みです。中でも“Davidoff Royalty”“Davidoff English Mixture”については『お品が宜しくて…、自分にはどうも不似合いですから。』なんて…、う〜ん流石は人格者ならではのお言葉です。(納得!)
 残りの1割は、なんとこれが“Borkum Riff Ultra Light”なんですね!多分体調不良時、気紛れ、気分転換等の折りには丁度良いいんでしょう。
 此方の上品な老紳士、因みにウイスキーも“Ballantine 17yrs”のお水割りを2〜3杯※お若い頃は、Straight no chaser!!のみ。正統派の拘りなんですね。
 最近は『年のせいか、無精になりまして…。』と、葉巻を嗜んでおられてます。
まだまだお若いですよ、本当に。
 
2. B氏の場合
 パイプ歴数年のゑ●紳士。
 Latakia入りの煙草葉は一切受け付けない!おまけに剰りにも“甘〜い”葉も駄目!
 何十種類も試喫の末、辿り着かれたのは、“Davidoff Oriental Mixture”“Dominican Glory”“Navy Mixture”を4:3:1の割合で常喫。其れ以外全然見向きも無し。(ご立派です!)
 またウイスキーに関しても、Islay産(燻臭香の強い、煙草葉で云うところのLatakiaに似ている)以外のSingle Malt Scotchを色々…。今の所恐らく試行錯誤中なんですね。
 ただ、指向→試行→思考→志向→嗜好の路線は煙草葉と同様に『香強過ぎず、本来の味に一捻り』???。ある意味頑固で偏(変)固なんでしょうか…やはり。
 そうでないと男衆は駄目なんでしょうけど。

 
3. C氏の場合
 何十種類かの煙草葉を試されておられる時に、ふと友人知人の(言)葉に耳を向けられ『〜なる程。』と、いたく感銘されました。
 現在“Early Morning”“Cluse Line Caribic”の二本立てに“Wild Mango”を4.5:4.5:1の割合で常喫。
理由は、いたって簡単!模倣犯‥失礼。模倣タイプなんですね、彼は。
 『パイプボウルの内側にカーボンを早く着けるには甘い葉が良い』と聞けば、その通りに為さり、他人にまで受け売りを…。
 『この葉は非常に女性のウケが良い。』なんて聞けば、辺り構わずスパスパと『いい香でしょう。』と隣横のご婦人に、自ら宣う始末。本当に純真で素直な方なんですね。
 まあ動機はどうあれ、何時も楽しそうに煙を燻らしておられます。 “Mamy Taylor”(Whisky.Lime juice.Gingeraleで作るカクテル)と共に。
 
4. D氏の場合
 100%です!“Captain Black(Goldも可)”のみを。
 思い出深いお父様の形見のパイプで常喫。子供の頃から慣れ親しんだ香に安心なさるのか、それともパイプがそれ以外の物(者)を拒むのか…。
 パイプのお手入れも完璧なまでに行き届いてます。二世代に渡り大事に愛用されさぞやパイプもご満悦の事かと。
 次、次々世代と血筋を連綿と渡り歩く姿は感動的です!
 ウイスキーも長年同一のバーボンをロック(銘柄割愛)で、アメリカンロックミュージック一辺倒と、何事にも一途なんですね。
 絵柄、香、味、温度、音〜五感の全てで安心満足されておられるご様子。ただ米国産ばかりなのが…少々不満ではありますが。(私見)
 
5. E氏の場合
 パイプ歴数十年、百数十種類の煙草葉を試喫して来たにもかかわらず、未だ正妻足る銘柄が見つからない…と云うより全てが通り過ぎて来た、お気に入りの恋人達と云うのが正確かも。
 最近の愛用(人)は、“Seven Reserve”で、その前は“B.B.B. Oriental Mixture”で、その前は“Pelikan”で、その前は“Balkan Blend”で、もっと前は“Black Mallory”で、更に前は“965 Mixture”で、ずっと前は“Sweet Dublin Black”で、確か“Anphora”も…。袖に為されたのは“●◆■▲”などなど。本当によく覚えていらっしゃいます。(脱帽)短期集中濃厚情事だったんでしょうね!
 しかしながら、ウイスキーは必ず何時も“Evan Williams 23yrs”を、ストレートで一杯のみ。
 
6. F氏の場合
 禿鷲の様な眼孔とは裏腹に、超甘々の香が大好きな初老の紳士。
 “Blue Note”と“Macballen Vanilla”“Mild Chocolate”“Danish Black Vanilla”が9:1の割合。たっぷりの煙量でゆったりと最後の灰になる迄、満喫為さいます。
 この至福の時を分かち合いたいのか、必ずやお連れの女性(日替わり)に、パイプごとお勧めになるのは、如何なものかと…? マウスピースで間接接吻とは、これ如何に!決して私自身の嫉妬心からでは無い事を、お断りしておきます。 男臭いウイスキーよりも婦女子好みのオリジナルカクテルを日替わりで所望されるのも、何処か共通してる様な気がします。
 最近ご無沙汰なのは、お相手不足のせいでしょうか…それとも火(煙)遊びに飽き、水(飲)遊びに日夜色町を徘徊しておられるのでしょうか?
 
7.G氏の場合
 パイプ道初段の男前。 常に着こなしに立ち居振る舞いが、気取らずお洒落な彼は、月曜から土曜迄それぞれ“Dunhill Aromatic” “Dunhill Flakecut” “Davidoff Oriental Mixture” “Davidoff Danish Mixture” “Pergamon” “Jacaranda”を、各々別々の専用パイプで満遍なく常喫されます。彼のダンディズムの成せる業でしょう。ただ一本未使用パイプがあるのですが…これは、いつの日かLatakia入りの煙草葉用に置いておられるのだと。 毎回Latakia葉を手に取り、鼻に近づけては一言『やっぱりあかんわ。』無理せずとも宜しかろうに。
 隣席のLatakia好きの方とは、仲良く罵り合い乍、一献。逆にLatakia嫌いの方とは見栄と競争心丸出しで、友好を深め合い乍、一献。う〜ん…なんとなく分かります。ダンディズムとは、かくあるべきものかと。
 勿論ウイスキーもIslay産以外のMalt Scotchを、Cask Strength(アルコール度数50%以上)で多種多杯、ストレートです!
 
8.H氏の場合
 シャーロキアン◎◎氏は、“Sherlock Holms” “Irish Whiskey” “Irish Oak”を、3:1:1で常喫。その他、今迄日本未上陸だった“Sweet Killarney” “Sunset Breeze”もお好きな様ですが、Latakia と Flake Cut はどうもお気に召さないご様子。
 言わずもがな、パイプは勿論、Peterson Sherlock Holms Lestrade Smooth!
 言うまでもなくウイスキーは、Black Bushmills をジャストウォーターで!
 大のコナン・ドイルのファンで以て、アイルランドの狂信者ですよ彼は。
 『ところで(ワトソン君)御一緒に一杯如何です』なんて勧められると、私もついつい『喜んで!同じ物を。』と…。あたかも小説の中にでも居るかの錯覚さえ覚え…少々大袈裟でした。とまあ何はともあれ、煙草も酒もアイリッシュづくしで楽しめる数少ない機会ですから…大いに浸って下さい。

 

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